■「自分で人生を選べたことなんてこれまでない」自立への葛藤
ウガンダに身寄りのないパスカリーナたち元子ども兵は、日本のNPO法人「テラ・ルネッサンス」の支援施設で洋裁や木工などの職業訓練を受けている。2005年からウガンダで活動を続ける同団体の小川真吾さんは、「長い間拘束され、命令に従う中で『自分が何を言っても受け入れられない』というマインドが染み付いている。特に女性はその傾向が強い」と、彼らが抱える深い心の傷を指摘した。
パスカリーナは、すでに現在の夫となっていた元子ども兵のジョンソンを伴い、亡き元夫・キラマの故郷であるウガンダのアチョリの村を訪れた。ジョンソンはキラマの子どもたちの面倒を見ており、末っ子はジョンソンとの間に生まれた子だった。村人たちは「神の御心に従って彼女と子どもたちを歓迎する」と温かく迎え入れた。
しかし、パスカリーナの心には葛藤があった。「自分を愛してくれる人はどこにもいない気がする。両親も死んでしまって故郷に帰る場所はない。自分で人生を選べたことなんてこれまでない」。施設での訓練を通じ、自立への道を模索し始めた彼女は、夫との関係に悩み始める。
「私は自分の人生を生きたい。誰にも強制されたくないの。元LRAの男たちと一緒にはいられない。たとえ夫であろうと、LRAを思い出し、平穏は訪れない」
ジョンソンは「お前がコンゴに戻ろうが、子どもがいる限り血縁関係は永遠に続くんだ」と引き留めるが、パスカリーナの自立への意志は固まっていった。
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