■離れ離れになった長男との再会、そして「自分の道」へ
そんな中、コンゴにいる兄から「元夫の親族が交通費と婚資を払えば、長男オラニャを国境まで連れて行ける」との連絡が入る。パスカリーナと小川さんたちは国境の町アルアへ向かい、生き別れていた長男オラニャと再会を果たした。
しかし、パスカリーナの一族であるコンゴの親族側が、伝統に則り「子どもたちに対する牛9頭」や「パスカリーナが受けた苦難への代償」など多額の金銭を元夫の親族に要求。ウガンダの親族には支払う余裕がなく、交渉は決裂の危機に陥る。「お金が足りないなら息子をコンゴへ連れ帰る」と告げるコンゴの親族に対し、パスカリーナは「こんなのだめ。私は私の道を行く。こんなことで息子と離れないといけないの?」と涙ながらに嘆いた。そこでテラ・ルネッサンスが緊急措置としてウガンダの元夫の親族を資金面でサポートし、費用の一部を支払ったことで、無事に長男を自分のもとに連れ帰ることができた。
後日、小川さんがパスカリーナの新居を訪れると、そこには夫ジョンソンと離れ、自らの手で子どもたちと暮らすことを決意した彼女の姿があった。「ここでビジネスをするわ。庭をきれいにして、ベッドと花を置きたい。(夫には頼らず)大人は私一人で子どもたちと暮らしていくし、心の慰めが欲しいの」。
庭を手入れしながら、パスカリーナは穏やかな顔で語った。
「アチョリの土地に温かく迎えられ、人間としての自由を感じている。LRAには道がなかった。私を愛してくれる人たちがここにいる。だから大丈夫。私の人生も、子どもの人生も」
過酷な戦場を生き抜き、自らの意志で人生を選び取った元子ども兵パスカリーナの、新たな人生が始まろうとしている。
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