■「皇籍離脱の経緯」をどう評価する?政府説明への疑問
政府は「皇族は憲法14条の例外であり、施行時に皇族であった者の子孫であるため平等原則に反しない」と合憲性を主張する。これに対し、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司氏は、昭和22年(1947年)の皇籍離脱の経緯を踏まえ、政府答弁の矛盾を突いた。
山下氏は「もともとは旧憲法、旧皇室典範下で離脱する予定で宮内省も進めていた。宮内省とGHQが協議する中で一時金などの問題が生じ、昭和22年度の国会答弁でも『その年度になるとは思っていなかった』と予算措置が遅れた経緯がある。本来は旧制度下で離脱するはずだったものを、新憲法下で皇族だったからと合憲の根拠にするのは皮肉な話だ」と述べた。
また、改正法で女性皇族が結婚後も皇室に残る選択肢が新設された一方、配偶者や子は一般国民のままとされた。山下氏はこの制度設計の歪さにも言及した。
「一番おかしいのは、夫は結婚後も一般国民のままであるにもかかわらず、なぜ自分の結婚に国の許可(皇室会議の議決)が必要なのかという点だ。男性皇族の結婚は妻も皇族になるため国が責任を負うが、女性皇族の夫は一般国民のままだ。結果として、父母で戸籍が異なる(妻は皇統譜、夫と子は戸籍に記載される)という非常に歪な家族が生まれる」。
倉持氏も「憲法24条は夫婦が同等の権利を有すると定めている。一方は人権制約を受ける皇族、もう一方は自由を持つ一般国民という組み合わせは憲法上想定されていない」と同調した。
■「伝統」か「近代法」か“属人化”する皇位継承議論の弊害
