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 "自画撮り"被害。児童が、騙されたり脅されたりして、自らが裸体を撮影させられ、画像をメールなどで送らされる問題だ。

 14日、警視庁がイギリスやフィリピンの大使館員、ICPO(国際刑事警察機構)などを招き、児童ポルノの事例を紹介し合う国際会議を開催した。日本からは、親のネグレクトにより途方に暮れる子どもがいわゆる"JKビジネス"で稼ぎ生活している現状などが紹介された。

 スマートフォンの普及やインターネット利用の低年齢化に伴い児童ポルノ被害は増加傾向にあり、2015年、日本において児童ポルノの被害を受けた子どもの数は905人と、過去最悪を更新。そんな中、急増しているのが"自画撮り"によるもので、被害児童数は実に全体の4割以上に上っている。"自画撮り"被害は2012年の207件から比較して2015年には100件以上増加し376件となっている。

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 "自画撮り"について街の若者たちからは、「そんな画像送るなんて自業自得だと思います」「画像をもらう側もおかしいけど送る側もおかしいと思う」「一回流出すると消せないし怖いと思う」といった、画像を投稿・送信する側を問題視する声が多く聞かれる。

 しかし、その一方でジャーナリストの石原行雄氏は「実は少女たちが率先してノリノリでTwitterに投稿し、ブームになっている」と話す。さらに「高校生、中学生は当然ながら、小学生4年生が動画や画像を投稿しているケースがある。自身で陰部を広げて見せる"くぱぁ"画像や四つん這いになって後ろから撮影した画像、屋外でパンツを下ろして放尿している動画もある」と若年化・過激化を指摘する。

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 なぜ子どもたちは自発的に投稿してしまうのか。石原氏によると「日常的にTwitterやインターネットで性的なものに触れた時に、ただそれを見るだけじゃなく、当たり前のように参加し、発信してしまう」のだという。幼いころからSNSに触れる子どもたちには、Twitterのフォロワーを増やしたいといった欲求があるという。

 「フォロワーが10~20人くらいしかいない子どもが性的な投稿をすることで、フォロワーが半月くらいで5万人に増えることもある。そのときに自分の価値が上がったように感じ、はまってしまう」(石原氏)。

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 心理カウンセラーの小高千枝氏は「世の中の流れで、自分の居場所や愛、保護を求めてしまう"愛着障害"を持つ子どもが多い」と指摘する。ネグレクトや虐待を受けたことがきっかけで、愛着を求め自分の身体を見せるという行動につながっていくこともあるという。「特に女の子は親和欲求が強く、ネットに投稿することによって、それが自分の存在価値だと勘違いしている子どもは多い」(小高氏)。

 東京都では被害急増を受け、"自画撮り"を要求した段階で取り締まれるよう検討することを決めた。小池都知事は「現在の法制度では被害を未然に防ぐための有効な方策がない。条例による悪質な働きかけの規制など早急に検討しなければいけない」とした。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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