将棋界の未来を背負う10代対決を最年少棋士が制し、その実力の片鱗を見せた。AbemaTV将棋チャンネル特別対局企画「藤井聡太四段 炎の七番勝負~New Generation Story~」の第1局が12日に放送され、昨年10月に14歳2カ月で史上最年少プロ棋士となった藤井聡太四段(14)が、増田康宏四段(19)を95手で下し、白星スタートを切った。

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 初々しい学生服姿が似合わないほど、指しぶりは堂々としたものだった。開幕戦は両者とも得意とし、若手棋士の間でも人気の角換わりで始まったが、じっくり時間を使いながら、じわりじわりと攻撃態勢を整えた。

 そして両者ともに、1時間の持ち時間を使い切ろうという直前、藤井四段の動きが変わった。秒読み28秒目ですっと指した、ひらめきの勝負手。解説した師匠の杉本昌隆七段(48)も「やったかぁ。すごい勝負手を指す時の動きをしていたから」と興奮気味に話した。やや押し込まれていた中盤をがらりと一変させ、一気に優勢に立つと、そのまま休まず攻め立て勝利した。対局後も杉本七段は「あれが勝因です」と明言した。

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 緊張の初戦を終えると、藤井四段は「増田四段には練習将棋で一局教えていただいた。その時は完敗だったので、今回勝ったことは素直にうれしく思います」と、ホッとした表情を浮かべた。敗れた増田四段は「本当に完敗…。最後も差が開いてしまって。強かったです」と脱帽だった。

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 いきなり強烈な印象を残した七番勝負。次回は19日放送で、対戦相手の永瀬拓矢六段(24)は昨年、羽生善治三冠(46)の持つ棋聖のタイトルに王手をかけた実力者だ。

(C)AbemaTV

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藤井聡太四段 炎の七番勝負~New Generation Story~ 第1局 | AbemaTV
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藤井聡太四段 炎の七番勝負 第1局
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