名人の座の行方は第2局で決まる? 将棋の最年長プロ棋士で名人の経験もある“ひふみん”こと加藤一二三九段(77)が、4月20日に行われる第75期名人戦、佐藤天彦名人(29)対稲葉陽八段(28)の第2局を前に、七番勝負の展望を予想した。第1局を稲葉八段が72手で快勝したことを受け「第2局がヤマ場。佐藤名人が連敗すると(防衛は)厳しい」と、第2局で七番勝負の流れが決まるとした。

 加藤九段が注目したポイントは大きく2つだ。1つ目は第1局の内容だ。奨励会時代も対戦経験がある2人だが、プロ入り後の公式戦では佐藤名人が2011年から2016年にかけて4戦全勝だった。ところが4月5、6日に行われた第1局は、名人戦どころかタイトル戦の番勝負も初挑戦だった稲葉八段が快勝。これについて加藤九段は「タイトル戦はまず1回勝つこと。七番勝負でも五番勝負でも1回勝つとホッとする。稲葉八段は初めてのひのき舞台で勝ったことで、ものすごく元気いっぱい、これでいけると思っているのでは。内容的にもよかった」と、稲葉八段の勢いを感じている。

 もう1つ、心配しているとも言えるポイントが、佐藤名人のスケジュールだ。将棋界のタイトルホルダー、しかも名人となれば将棋盤に向かう以外の仕事も増える。本人にとっても、将棋界にとってもよいことではあるが、名人戦の最中ともなれば少し様子が違ってくるという。「私は42歳で名人になったが、当時は対局の合間ははっきり言って暇だった(笑)自分の好きな時間を過ごしていたが、今はいろいろな事柄を頼まれるのでは」と明かした。「佐藤名人はスケジュールが大変。稲葉八段は名人戦一本に絞れている」という。

 両者の状況を考慮した上で、七番勝負の行方を大きく左右すると見ているのが第2局だ。「第2局が勝負。佐藤名人が連敗すると厳しい。勝って1勝1敗になると、先行きは混戦」と予想した。佐藤名人が立て直すか、稲葉八段が一気に2勝するか。20代同士の七番勝負は、前半戦から目を離す場面はなさそうだ。

 名人戦第2局は4月20、21日の2日間、いずれも午前8時からAbemaTV将棋チャンネルで生放送する。また加藤九段は、4月20日午後9時からAbemaNewsチャンネル、AbemaPrimeにもゲスト出演し、快進撃を続ける中学生棋士・藤井聡太四段や、自身の引退についてなどを語る予定だ。

(C)AbemaTV

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第75期 将棋名人戦 七番勝負 第二局 1日目 | AbemaTV
第75期 将棋名人戦 七番勝負 第二局 1日目 | AbemaTV
名人戦 七番勝負 第二局 1日目
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