早稲田実業の主砲・清宮幸太郎(3年)が、6月3日に行われた愛知県内での招待試合で2試合に出場し、高校通算97・98・99号と3本塁打を放った。中京大中京戦では変化球をさばく技術と、詰まりながらもスタンドまで運ぶパワー、桜丘戦では超高校級のパワーを改めて見せつけた。高校の非公式戦ながら地方球場の客席をファンで埋める怪物が、大記録にまた一歩近づいた。
 夏の甲子園大会予選に向けて、対戦相手の頭を悩ませるのが、この日の1本目だった。場面は無死一、二塁。バッテリーすれば、内外角の低めにボールを集め、内野ゴロを打たせるのが理想だ。実際、中京大中京もカウント2-2から外角低めへの変化球で勝負に出た。ところが、清宮はこのボールにさほど体勢を崩されることなく、バットの芯でとらえ、流し打った。これがヒットで済むならまだいい。スタンドまで運ばれるのだから、バッテリーはたまったものではない。丹念にコースを突くだけでは、清宮を抑えるのは難しいことが示された一発だった。