山口県萩市。黒のスーツにハイヒール姿で漁船に乗り込む一人の女性がいる。漁師集団「萩大島船団丸」を立ち上げ、3つの船団、60人の漁師たちをまとめあげた坪内知佳(30)だ。
観光業と水産業に依存する萩市にあって、漁獲高の実に6割をこの「萩大島船団丸」だけで稼ぎ出す。萩の鯵や鯖はブランド化されており、全国へ出荷されている。中でも鯵は「萩の瀬つきあじ」として名高い。
しかしここ数年、漁獲量は減少傾向にあり、水揚げだけで儲けを出すのが難しくなってきた。そんな中、「萩大島船団丸」は他県でも真似される"ユニークかつシンプルな"ビジネスモデルで拡大を続けている。