歴代1位タイとなる28連勝を記録した将棋の中学生棋士・藤井聡太四段(14)が6月21日の対局後、約25分間の記者会見に臨み、タイ記録達成について「短い言葉で表しきれないです」とコメントした。会見の内容は以下のとおり。
―タイ記録達成の気持ちは
そうですね。本当にタイ記録まで連勝できると夢にも思わなかったので、本当によかったです。
―今日はどんな気持ちで対局に臨みましたか
普段どおりにと思っていました。相手が前回苦戦してしまった澤田六段ということで、内容のいい将棋をと思って、気を引き締めていました。
―28連勝で印象に残った対局はありますか
本当に途中、大勢が厳しかった将棋は数多くあって。大橋四段との新人王戦、小林七段との王将戦、澤田六段との棋王戦など、形勢を悪くしてしまって、はっきり負けの局面もあったので、本当にここまで連勝できたのは、本当に幸運だと思っています。
―加藤一二三九段が引退したことについて
加藤先生とデビュー戦で対局して、僕自身多くのことを学ばせていただきましたし、迫力のある対局姿が見られないと思うと、自分としても一抹の寂しさはあります。
―次は26日に竜王戦で新記録がかかることについて意気込みは
次局は竜王戦の本戦となります。大きな舞台でもあり、相手も非常に強敵ですので、しっかり気を引き締めて、いい将棋が指したいと思っています。
―瀬戸市出身ですが地元に向けてメッセージがあれば
地元の方にも多く応援していただいています。それ自体がモチベーションになるというか、今日はその期待に応えることができてよかったなと思います。
―同じ地元の澤田六段との対決だったが「応援は藤井君に」と言っていました
本当に澤田六段の人柄というかそういうのがよく出ていて。勝負は全力で来られると思っていましたが、そういった発言はさすが澤田六段だなと思いました。
―久保王将が解説をしていました
王将といった、現役のタイトルホルダーに自分の将棋を解説していただけるというのは、本当にうれしいことなので。頑張りたいと思います。
―28連勝の神谷八段と並びました
次局も記録は意識せずに、普段どおりに臨めればと思います。
―棋士として今後、どういった棋士になりたいですか
本当に今回28連勝という結果を残すことができましたが、まだまだ実力が足りないと感じているので、そういったところを直して、もっと強くなれるように精進したいと思います。
―目標の棋士は
たとえば谷川先生の光速の寄せや、羽生先生の中盤の独特な指し回しなど、いろんな先生の長所を吸収してきればと思います。
―師匠に対して
本当に師匠には技術的なことではなく、本当に対局に臨む心構えなど、たくさんのことを教えていただきました。本当に感謝しています。
―達成感はありますか
神谷先生の28連勝に並ぶことができたので、うれしい気持ちはあるんですけれど、また次の対局も近いので、そういう気持ちに浸ってばかりではいけないので、気を引き締めて頑張りたいと思います。
―連勝を続け、テレビや新聞で自分をあちこちで見ることについては
注目していただけるというのはありがたいこと。ただ、自分のすべきことは将棋が強くなることだと思っているので、一喜一憂せずに、必死に頑張っていきたいと思います。
―気持ちはどういう風に平常心を保っているんですか
自分としては今までと変わらないです。今までどおりやってきただけなので。具体的に何かという感じではないですね。
―僥倖など難しい言葉が注目されましたが、今の気持ちを熟語で表すと
そうですね。う~ん。(長考)なかなか、短い言葉で表しきれない気持ちです。ちょっと難しいですね。
―ご自身の扇子とクリアファイルが好評ですが
自分自身で使っていることはないんですが、本当に自分としても非常にうれしいというか、将棋に興味を持ってくださる方が増えれば、棋士冥利につきると思います。
―連勝の先にタイトルがあるが、思いに変化はありますか
タイトル獲得には、さらに実力をつけることが必要なのは、代わりがないと思うので、まずは実力を向上すべく頑張りたいというのは変わらないです。
―なぜ強くなれたと思いますか
現状の自分の将棋に満足しているわけではないですし、自分で言うのも難しいですけれど。将棋を始めたころから詰将棋をよく解いていたのは、いい影響だったかなと思います。
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