(制御不能なわりには、写真撮影ではこのポーズ。さすがの逸材ぶりだ)
いま、立ち技格闘技界で最も制御不能な男、それが左右田泰臣である。あの魔裟斗のジム「シルバーウルフ」所属。魔裟斗の後を継ぐ存在として他団体で活躍していたものの、新生K-1旗揚げとともに電撃参戦を果たすといろいろな面で“全開”に。
新日本プロレスの道場で煽りVTRを撮影し、オカダ・カズチカとも“共演”。新生K-1の第1回トーナメント(65kg)では決勝進出を果たしている。その1回戦、木村“フィリップ”ミノルを倒したインパクトは絶大だった。
このまま「俺は疲れたことがない」と言わんばかりの快進撃が続くかと思いきや、一時はトップの壁に阻まれて思い悩むことも。王者ゲーオに「おつかれさまでした」と引導を渡すことはできなかった。
(公開練習では無類の受けの強さも披露。このあたりは王道イズムなのか)
しかし、この挫折により「なりたい自分になる」「思ったことを言う」と腹を括った。オリジナルの覆面を製作すると、記者会見でも公開練習でも公式行事では常にマスク着用。さすがに試合では脱ぐものの、獣神サンダー・ライガーのような“戦闘仕様”マスクが認められれば使うのではないか。
大会のプロモーションなのに、そもそも普通に自分の名前でやってるのに、素顔は出さない左右田。K-1王座を目指すための「通過点」としてKrushに参戦すると鮮烈なKO勝利を収め、その勢いで中澤純が持つ-65kg王座挑戦を決めた。
しかしここで「(K-1からきたよそ者の)自分が名乗りをあげてるのに、他の選手は噛みつかないのか」と正論をぶちまけてみせるのが左右田らしさ。8月6日、Krush後楽園ホール大会(17:00~AbemaTVにて生中継)でのタイトルマッチに向けては、同じシルバーウルフのパレハ(仲間)である山崎陽一が繰り出す攻撃をひたすら耐え続ける練習を公開した。曰く「受けの美学、ですよ」。その姿は、高田延彦の蹴りに耐える越中詩郎ばりであった。
あくまで目標はK-1である自分がKrushのチャンピオンになることで「ベルトさんが悲しむことでしょう」と語った左右田。8.6後楽園という時期的にも「Krush史上、空前絶後の夏になります」と聞き覚えしかないコメントまで。Krushは8月20日に名古屋大会も開催するだけに、日本全国とまではいかないが「闘いサマー」状態ではある。
ともあれ好きなことを好きなようにやっていることは間違いない。左右田がKrush王者になった場合、スポーツ紙の記者をファミレスに呼び出すのも時間の問題だろう。
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