新旧の詰将棋巧者による対決の実現だ。史上最多の29連勝を記録した中学生棋士・藤井聡太四段(15)が、若手棋士7人と40代のトップ棋士がチーム戦で戦う「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」(AbemaTV)の対戦相手として、行方(なめかた)尚史八段(43)を対戦相手に指名した。プロ歴の浅い順に若手棋士がトップ棋士を選ぶルールの中、「非常にかっこいい先生」と印象を持つ行方八段と、“詰将棋対決”に挑む構えだ。
ずらりと並ぶトップ棋士7人の中で、悩んだ末に選んだ理由は共通点だった。「行方先生とは詰将棋という部分で共通点を感じています。詰将棋解答選手権で初めてお会いしたのですが、終盤が非常に鋭い先生という印象です」と明かした。詰将棋はプロデビュー前から天才・藤井少年を将棋界に知らしめた代名詞のようなもの。「対局姿を生で拝見したことはないんですけれど、映像や写真で見て、非常にかっこいい先生だなと思っていて。是非、盤の前で実際に指して体感したいと思いました」と、憧れの思いもあるという。
詰将棋巧者となれば、おのずと勝負は終盤でのせめぎ合いが焦点となる。「行方先生は終盤の踏み込みが非常に鋭い印象です。途中で差がついてしまうような展開ではいけないので、しっかり終盤までついていけるようにしたいです」と意気込んだ。若手対40代の対決企画についても「非常に層が厚い世代ですが、超えなければいけない壁だとも思っています」と、勝負となれば全力でぶつかるだけだ。
藤井四段にとって、デビューまもないころに経験した実力者7人との「炎の七番勝負」は、破竹の29連勝の原動力ともなった思い出深い対局企画。行方八段との対局も、きっと飛躍のきっかけの1つとなるはずだ。