将棋ファンから、特にアマチュアプレーヤーから絶大な人気を誇る棋士がいる。羽生善治二冠(47)に次いで熱い支持を得ていると言っても過言ではないのが藤井猛九段(47)だ。愛称(敬称?)は「先生」ならぬ「てんてー」。皆、親愛の情を胸に、微笑を浮かべながら(なんとなくのイメージだけれど)「藤井てんてー」と呼ぶ。
 藤井九段が尊敬され、愛されているのには3つの理由がある。まず、多くのアマチュアが用いる四間飛車を得意戦法としている点だ。遠く離れた世界の何かではなく、普段から自分でも用いているスタイルの最高峰、頂点であるという畏敬の視線が常に藤井九段には注がれている。