将棋の8大タイトルの1つ、第65期王座戦五番勝負の第4局が10月11日、横浜市のロイヤルパークホテルで行われ、挑戦者の中村太地六段(29)が勝利、成績を3勝1敗とし王座のタイトルを獲得した。中村六段は3度目の挑戦で初のタイトル獲得。羽生二冠は今期、王位に続けてタイトルを失い、棋聖のみで13年ぶりの“一冠”となった。
 2人の対決は4年前、同じ王座戦五番勝負以来。この時は第3局までに中村六段が2勝1敗とリードし、タイトル奪取にあと一歩まで迫っていたが、ここから連敗。逆転を許し、悲願達成はならなかった。この日は午前中から激しい攻め合いとなったが、チャンスを逃さずきっちりと勝ちきった。終局後、中村六段は「改めて将棋の難しさを知った。(タイトルは)なんとか取りたかった。これからはすごく大きな責任を伴うと思う」と、初タイトルの重さをかみ締めていた。