将棋界がざわつく世代間の団体対抗戦が、いよいよ後半戦に突入する。23歳以下の若手と、40代のベテランが対決するAbemaTV「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」は、第4局まで若手チームが全勝。一気に勝ち越しを決め「世代交代」を色濃く感じされる結果をたたき出した。勢いのある若手棋士たちとはいえ、熟練のトップ棋士たちとの団体戦で、五分以上までは想像しても、全勝となると話はまるで違う。こんな状況の中でぶつかるのが、十八世名人の資格を持つ森内俊之九段(47)と八代弥六段(23)だ。
森内九段といえば、通称「羽生世代」の1人として長くトップで活躍。昨年度を持って、順位戦からフリークラスに転出し第一線を退く形となったが、名人8期をはじめとする実績は現役棋士の中でもトップクラスだ。今年度は日本将棋連盟の理事職も務め、将棋界全体を盛り上げる役目も果たしている。
一方の八代六段は昨年、全棋士参加棋戦の早指し棋戦「朝日杯将棋オープン戦」で優勝し、一気に存在感を出した若手の1人だ。森内九段が羽生世代の中で切磋琢磨しトップ棋士であり続けたように、八代六段も同世代にタイトルホルダー、挑戦者が続々と出る中、いつまでも若手棋士と呼ばれているわけにもいかない。ましてや全勝で来ている団体戦で、自分が初黒星で目立つのは避けたい状況だ。
「鉄板流」の異名を持つ森内九段の固い受けに対し、八代六段がどんな攻めで切り崩すのか。十八世名人も敗れるようなことがあれば、将棋界のざわつきが、一大事の一歩手前ぐらいまで大きなことになってくる。
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