将棋のトップ棋士ともなれば、トークでもファンを盛り上げる。将棋界トップクラスの実力を誇る深浦康市九段(45)と木村一基九段(44)が11月24日、竜王戦七番勝負第4局の放送で共演。解説・聞き手ながら、対局の内容に引けを取らないトークを炸裂させ、ファンを盛り上げた。
2人は渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑戦している竜王戦七番勝負第4局で、AbemaTVの中継に出演。本来はいずれも解説を務める立場だが、対局者の2人が昼食休憩中、深浦九段が解説、木村九段が聞き手という豪華キャストが実現した。
先制“口撃”を浴びせたのは、1つ年上の深浦九段だ。タブレットを持ちながら棋譜を確認する木村九段に「タブレット使えるんですか?」とジャブを一発。“千駄ヶ谷の受け師”の異名を持つ木村九段も「使えますよ。馬鹿にしないでください」とにこやかに受けて見せた。
矢倉囲いの話題となり、再び深浦九段が「木村さん、矢倉得意じゃないですか」と振ると、これにもすかさず木村九段が「もっと得意な人いっぱいいますから」とカウンター。これには常に先手を取っていた深浦九段も「ああ言えば、こう言う…。生意気な聞き手だなあ。やりにくいなあ」と苦笑いを浮かべた。
それでも深浦九段は攻める姿勢を崩さなかった。「最近矢倉を辞めちゃって。雁木(がんぎ)の方をしています。雁木、知ってます?」と、再び受け師に挑戦。「知ってますよ。一応、九段ですから」という返答に、視聴者からもコメント欄で「一応www」など笑いが起きていた。
2人の意見が一致したのは、挑戦者の羽生棋聖との苦い思い出だ。同世代でありながら、将棋界の第一人者には、お互い何度となく苦しめられてきた。木村九段が「羽生さんには痛い目に遭った記憶しかない」と漏らすと、深浦九段も「うまくもないのに受けてしまって、羽生さんに攻めつぶされた」と同調した。
攻守がめまぐるしく入れ替わるトークの連続に、視聴者の将棋ファンもすっかり満足した様子。昼食時間と重なったためか「ご飯食べそびれた」「もっと見ていたい!」など、様々な声がネット上で飛び交っていた。
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