将棋の藤井聡太四段(15)が12月1日、2017ユーキャン新語・流行語大賞の選考委員特別賞を受賞した。流行語としては「藤井フィーバー」がノミネートされていたが、特別賞としては、史上最多となる「29連勝」が選ばれた。
受賞理由としては、デビューから半年、無敗のまま走り続け30年ぶりに記録更新となる公式戦29連勝を達成、さらにはインターネットテレビ局AbemaTVで行われた対局企画「炎の七番勝負」で羽生善治三冠(当時)に勝利したことでも大きな注目を浴びた、としている。
報道各社が勝負以外に昼食の注文を取り上げたこと、活躍がきっかけで将棋を始める子どもたちが増えたこと、クリアファイルやTシャツ、扇子といったグッズが軒並み売り切れ状態となり「フジイノミクス」とも呼ばれたことも評価され、さらには「望外の結果」「僥倖」という独特な表現も、子どもから大人まで将棋に関心を持たせ、感動と勇気を与えたことも理由にあげられた。
藤井四段の成績は、通算で59戦して51勝8敗(0.864)。年度成績では49戦して41勝8敗(0.837)と対局数、勝数、勝率、さらに年度をまたいだ29連勝と4部門で全棋士中トップ。今年度は残り4カ月弱だが、歴代最高記録となる89局、68勝(いずれも羽生善治棋聖)、0.8545(中原誠十六世名人)の更新も可能性を残している。
藤井聡太四段のコメント
この度はユーキャン新語・流行語大賞特別賞をたまわり、大変うれしく思っています。一局一局の積み重ねが29という数字に達したことは、まさに望外の結果であり、自分自身とても驚いたというのが率直な感想です。
また、連勝の過程で多くの方に注目していただき、自分としても大変得がたい経験をすることができました。このことを糧として、将棋の魅力をさらに伝えられるようになりたいと思っています。
来年は平成30年。30連勝を目指すと言いたいところですが、まずは一歩一歩確実に強くなっていくため、日々精進していく思いです。本日は本当にありがとうございました。
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