先場所初土俵を踏んだ期待の新弟子、豊昇龍と納谷が揃って春場所二日目のこの日、本場所の土俵に初めて上がった。先に取組が組まれていた西序ノ口十九枚目の豊昇龍の勝利を土俵下控えで見届けてから颯爽と登場した納谷は、170キロの大きな体を生かした強烈な突き放し2発で、わずか60キロと自身よりも体重が約3分の1の宇瑠寅を圧倒。ライバルに続き、こちらもプロ初戦を白星で飾った。
昭和の大横綱・大鵬を祖父に持ち、父親は幕内優勝もある元関脇・貴闘力という血筋の良さ。自身も小1から相撲を始め、強豪校である埼玉栄高3年で出場した昨年の国体少年の部では団体、個人でともに優勝を果たして今年初場所、鳴り物入りで大嶽部屋から初土俵を踏んだ。
今月5日は高校の卒業式に出席するためにいったん、大阪を離れた。すっかりきつくなった制服を身にまとい、卒業証書を受け取るとその足で再び大阪に戻り、そこからは新弟子として部屋の雑用もこなすなど、本格的に力士としての生活が始まった。
デビュー戦当日の朝までは全く緊張はしなかったというが、土俵下の控えに入ると急に気持ちが高ぶってきたという。しかし、そんな素振りは微塵も感じさせない豪快な相撲ぶり。土俵態度や報道陣に対する堂々とした受け答えも、とても18歳とは思えない泰然自若とした大物感をすでに漂わせている。今場所の目標はもちろん、ライバルである豊昇龍を倒しての序ノ口全勝優勝だ。
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