横浜DeNAは29日、ナゴヤドームで行われた対中日5回戦で、延長10回の攻防の末に主砲・筒香の勝ち越し6号2ランで試合を決めて13勝目を挙げた。
10回表の攻撃では先頭打者の2番・大和がヘッドスライディングでショートへの内野安打をもぎ取り、続く3番・筒香が殊勲の一発でその思いに応えた。その裏、マウンドに上がった守護神・山崎康晃はアルモンテに四球を与えるも要所を締め、今季9セーブ目を飾った。
10回の攻撃に象徴された今シーズンの横浜DeNA「ここ一番の強さ」ついて、野球解説者の岡島秀樹氏は「昨シーズン、日本シリーズでの経験が糧になっている」と、その要因を分析した。
「昨シーズンの日本シリーズでは2勝4敗でソフトバンクに惜敗しました。第2戦7回の守備でのエラー、そして相手の今宮選手の好走塁など、選手たちは『1球、1プレーの重み』を実感したはず。そのことが今季、ここ一番の場面に生かされています」と説明した。岡島氏はさらに、自身のメジャーでの苦い経験を踏まえて話を続けた。
「投手に関しては“抑えた1球”以上に、“打たれた1球”を鮮明に覚えています。私のメジャー初登板では、その初球に投じたアウトローの真っすぐを『8番・捕手』に右中間スタンドまで運ばれました。『困ったらアウトロー』が日本の定石ですが、体格の異なるメジャーでは、『腕を伸ばせば真ん中になる』と身をもって学びました。あの1球が無ければ、メジャーで活躍できていたかどうか、自分でもわかりません。ここ一番でモノをいうのは経験値です」
昨年は「1プレー」に泣き、悲願を逸した横浜DeNA。しかしその悔しさが、昨夜の勝利のように「ここ一番」で生かされれば、今シーズン、20年ぶりの日本一を手繰り寄せる原動力になる。
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