リリーフするなら早めの勝負！現役時代、先発や抑えとして活躍し128勝133セーブという「100勝100セーブ」を達成した野球解説者・齊藤明雄氏（63）が、今季からリリーフに転向した横浜DeNA井納翔一投手（32）について「1イニング15球以内で3アウト取るぐらいじゃないと。1人5球もかかっちゃいけない」と、少ない球数で勝負を決める極意を明かした。
齊藤氏は、先発として218試合に登板、抑えとしては最優秀救援投手に3回輝き、史上3人目の100勝100セーブを上げた投手として知られている。中でも1982年は、シーズン途中に先発から抑えに回ると、先発はわずか1回ながら規定投球回数をクリアする134回2/3を投げつつ、30セーブで最優秀救援と最優秀防御率（2.07）のタイトルを獲得するという、大車輪の活躍を見せた。「自分は2イニング、3イニングと投げる時は、3点あれば2点は（失っても）いいやぐらいで投げてましたけど、1イニングとなると抑えて当たり前になる」と、状況やイニング数によって気持ちの持ち方が変わると語った。
開幕からここまで16試合に登板、10HPを記録する井納だが、齊藤氏の目にはちょっとした違いも映っている。「時々、ちょっと悪いところがのぞく時がある。ちょっと（力を）抜いているような。本人の気持ちは行っているんでしょうけど、体がついてこないんでしょう。連戦、連投した時の自分のボールがどうなるか、まだわかっていない感じ」と分析した。先発とは異なる毎日蓄積する疲労が、マウンドに上がった時にどう出るか。6回を100球前後でまとめる先発の感覚でリリーフを続けると、どうしても球数が多くなり過ぎる。「井納なら真っ直ぐ、スライダー、フォークを使えば、極端に言えば3人を9球で勝負できる」と、シーズン通して働くためにも、早め早めの勝負を求めた。
先発ローテには伸び盛りの投手がそろっているが8回、9回と終盤まで投げきるほどの体力やペース配分ができるまでではない。むしろ相手打線が2巡する6回まで全力で投げきり、残りの3回をリリーフに託すというのが理想的だ。パットン、山崎康とリリーフ3本柱として活躍し続けるために、果敢に攻める投球を井納ができれば、齊藤氏の目尻も下がる。
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