ボクシングの元WBC世界フライ級王者・内藤大助が、趣味である将棋で大活躍する最年少棋士・藤井聡太七段について「優しそうでいい人。こういう時代でよかったのかもしれない」と、派手でインパクトなものを求めるのではなく、素朴な青年が受け入れられる時代背景がブームを後押ししたと指摘した。
内藤といえば、金銭的に苦しい家庭環境で育ち、学生時代にはいじめにあっていたにも関わらず、そこから這い上がり世界のベルトを巻いたことで知られる不屈のボクサー。現在でも、その明るく人当たりのいい性格から、テレビ番組などでの出演が続いている。「僕は現役の時にずっと貧乏だったから。世界チャンピオンになって(亀田)大毅選手とやった時も、計量の日、向こうは大きな外車だったけど、自分はジムのおんぼろの軽自動車だったから」と、2007年に行われた試合の思い出を笑いながら明かした。また「これがバブルの時代だったら『内藤、だせえな』ってなっていたかもしれないけれど、不景気の時代だったから『頑張れ、内藤!』になった気がする」と当時、自分に飛んできた声援の大きさを振り返った。
あれから約11年。彗星の如く現れた将棋の天才・藤井聡太七段は、いくら連勝しても落ち着いた口調でコメントし、その様子からはむしろ大人顔負けという評価が一般的になっている。「キャラがいいですよね。優しそうで。これがバブルのような時代だったら、注目を浴びていたか、ちょっと分からないかもしれません」と、素朴な人柄が受け入れられる時代で活躍していることを喜んだ。「将棋なんか、歳を重ねている方が強いイメージがあるのに、やっぱり藤井さんは天才ですよね」。内藤は終始、藤井七段に負けないほど優しそうな顔で、今後の活躍に期待していた。
藤井七段は6月17日からスタートする「AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治」にも参戦が決まっている。羽生善治竜王の着想から生まれた持ち時間5分、1手ごとに5秒加算されるオリジナルルールだが、ここでも天才ぶりが発揮されれば、内藤の目尻もさらに下がりそうだ。
◆AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治竜王が着想した、独自のルールで行われる超早指し戦によるトーナメント。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生竜王が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選は藤井聡太七段が登場するA組からC組まで各4人が参加し、各組2人が決勝トーナメントへ。シードの羽生竜王、久保利明王将を加えた8人で、最速・最強の座を争う。
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