5月5日。こどもの日。将棋棋士・佐々木大地四段(23)は福岡市内で行われた普及イベントに参加していた。目玉は佐々木四段と史上最年少棋士・藤井聡太七段(当時六段=15)との公開対局。名称はなんと「次世代名人戦」だった。
さりげなく挑戦的なネーミングだったが、観客席を埋めた約500人のファンの中で違和感を覚えた人はいなかっただろう。藤井はもちろんのことだが、佐々木四段もいつか名人戦に登場しても全く不思議はない力を持った逸材だからだ。並の若手ならば会場内に無言のブーイングが渦巻いていたはずだが、そうはならなかった。