16日に行われた横浜DeNA対ヤクルト12回戦は、終盤にもつれて2対5。横浜DeNAは後半戦初戦を白星で飾ることができなかった。しかし、そんな中でも光明はあった。それは高城俊人捕手(25)らとの2対2のトレードでオリックスから加入した伊藤光捕手(29)の活躍だ。
7月9日に発表された電撃トレードからわずか1週間。11日に球団事務所で行われた入団会見の席で「突然のことで正直驚きましたが、必要とされてきたことを意気に感じ、今はこのチームで全力を尽くしたい」と心機一転、新天地での活躍を力強く誓った伊藤。しかし、その気持ちとは裏腹に、切り替えが追いついていないものがあった。それは、キャッチャーの商売道具である装具だ。
この日の試合で着用したプロテクターの胸にある「Buffaloes」の白文字は「濃紺」で塗りつぶされ、比較的目につきにくいレガースの同じ文字はそのままに……。装具の手配が追いつかないほどの短い準備期間にもかかわらず、リーグ後半戦初戦で移籍後、初スタメン・初マスクを被った伊藤は、2回表にハマスタのファンへの挨拶代わりとなる補殺を披露。さらにその裏には、ヤクルト先発の小川の投じた低めのチェンジアップをしぶとくセンター前に運び、初打席・初安打も記録するなど、ファンの注目にプレーで応えてみせた。
試合は9回、ラミレス監督が「アンラッキーだった」と表現したように不運も重なって逆転負けを喫してしまったが、指揮官は「球種のコンビネーションも良かったし、色々なピッチャーを経験できてよかった」と話し、伊藤のチームでの初仕事を絶賛した。
わずか1試合でファンの心を鷲掴みにした伊藤。新しい装具の到着によって、身も心も装具も、チームと一体になった伊藤のさらなる活躍に注目が集まる。
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