将棋の棋聖戦五番勝負第5局が7月17日、東京都千代田区の都市センターホテルで行われ、挑戦者の豊島将之八段(28)が羽生善治棋聖(竜王 47)に108手で勝利した。五番勝負の成績を3勝2敗とし、豊島八段はタイトル挑戦5度目にして初の奪取に成功した。羽生棋聖は10年間守ってきたタイトルを失い、保持するタイトルは竜王のみの1冠となった。
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竜王戦1組、順位戦A級と2大タイトルの最上位リーグで活躍している豊島八段は、棋聖のタイトルには2度目の挑戦。2015年には同じく羽生棋聖に挑戦したものの、1勝3敗で敗れていた。前日までに通算601局を指し、勝率.697とトップ棋士同士の対局が続く中で驚異的な勝率を収めていることから無冠の実力者でもあったが、ついにタイトルを手にした。
豊島八段は2007年4月1日に四段昇段。2016年度にはJT杯将棋日本シリーズに優勝。将棋大賞では2009年度の勝率一位賞、最多勝利賞をはじめ、例年名前が挙がる常連となっている。また現在は菅井竜也王位との七番勝負にも登場しており、一気に2冠奪取の可能性も膨らんできた。対局後には「(最終局は)難しい将棋でした。まだ終わったばっかりで実感はないのですが、ずっと目標にしてきたのでよかったと思います」と語っていた。
今回、豊島八段が棋聖位に就いたことで、8大タイトルはすべて別の棋士が保持。将棋界は群雄割拠の時代に突入した。
◆8大タイトルの保持者一覧
羽生善治竜王(47)、佐藤天彦名人(30)、高見泰地叡王(24)、菅井竜也王位(26)、中村太地王座(30)、渡辺明棋王(34)、久保利明王将(42)、豊島将之棋聖(28)
敗れた羽生善治竜王のコメント ちょっと攻めが無理だったのかもしれません。(タイトル100期は)また次の機会というか、その舞台の時に目指してやっていけたらいいなと思います。
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