陸上・十種競技の元日本王者にして“百獣の王”のタレント・武井壮は少年時代、真剣に相撲の道を目指そうと考えたことがある。相撲好きを指す“好角家”というよりも、今なお力士となることに憧れを持っているレベルだ。陸上選手として日本の頂点に立ったこともある武井は、AbemaTV大相撲中継時にインタビューに答えると「朝から1日、現場で取組を見てほしい」と、生で見ることの重要性を説いた。
幕内力士の平均体重は163キロを超えると言われている。幕内通算40回の優勝を誇る横綱・白鵬であっても155キロと、平均以下だ。そんな大きな力士同士が、全力でぶつかり、寄り、押し、投げる。その迫力を実際に肌で感じることで、ようやくテレビで見ている「相撲」というものの凄みが理解できると武井は言う。「力士の実際の大きさや、その大きさで彼らが繰り出す動きとかは、やっぱり目の前で見ないと伝わりきらないと思いますよ。僕もテレビの企画で白鵬関と立ち合ってみて初めて、その山の高さが思っていた10倍ぐらい高いと気付きましたから」。日常では見られないサイズ感、聞きなれない肉体同士の衝撃音。それを一度味わうことで、テレビ観戦していてもその時の興奮が呼び覚まされるということだ。