将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(16)が7月31日、順位戦C級1組の3回戦で西尾明六段(38)との対局で、史上最年少16歳0カ月で、通算100局に到達した。2016年10月のプロデビューから2年足らずでの到達は、デビュー直後の29連勝など、基本的にトーナメントが多い各棋戦を勝ち進んだからできた偉業であることに他ならない。数字の上でも100局して85勝15敗、勝率.850は中原誠十六世名人と並ぶ史上1位タイというとてつもない数字だが、白星と黒星を丸印で並べてみたところ、圧巻だった。
藤井七段の勝敗を、勝ちを○、負けを●として、横1列に10局ずつ並べてみるとこうなった(左から1局目)。
○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○●
○○●○○○●○○○
○●●○●○○○○○
○○○○○○●○●○
●○○●○●○○○○
○○○○○○○○○○
○○●○○○○○○○
●○○●○●○○○○
まず、なんといっても目を引くのが、デビュー以来ひたすら続く○の数だ。3列目の最後に初めて●が登場するまで、実に29個の○が続く。これが日本中を「藤井フィーバー」に巻き込んだ、前人未踏の29連勝だ。
次に目が行くが5列目。42局目と43局目だ。42局目は当時八段だった豊島将之棋聖と、43局目は井出隼平四段との対局だ。ここでプロ初の連敗を喫した藤井七段だが、なんと100局指して、連敗はわずかにこの1度きりだ(テレビ対局の公開日で表面上、連敗しているケースを除く)。
そして、●の中でも特筆すべきは、同期でプロデビューした大橋貴洸四段との対局。59局目と66局目の●は、いずれも大橋四段に敗れたものだ。藤井七段がプロ入り後、2敗を喫しているのは大橋四段しかいない。通算4局で2勝2敗と五分で、今後も激しい戦いが繰り広げられそうだ。
現在4連勝中の藤井七段。今後は各棋戦で成績上位との対局が続くだけに、大連勝というのは難しくなるが、全棋士唯一の勝率8割超えをいつまで維持できるかなど、注目すべきポイントはまだまだ出てきそうだ。
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