昨シーズン、日本シリーズを戦った横浜DeNAベイスターズが、4日のゲームを終了して5位の中日とゲーム差無しの最下位。浮上のきっかけを掴めずに苦しんでいる。
先月31日に行われた巨人戦のゲーム前、「投打の歯車が噛み合っていないことが苦戦の原因か？」と報道陣に問われたラミレス監督は「3割打者が何人かいて、出塁率が低いというのは四球が少ないから。もっと四球を獲得して出塁率を上げていきたい」と話し、苦戦が続いている原因に「出塁率の低さ」を挙げた。
一貫して「打撃の積極性」を推奨してきた指揮官の「四球を増やす」発言に矛盾を指摘する声も聞かれたが、野球解説者の小田幸平氏は「発言自体はチグハグでもなければ、ブレてもいない。むしろいい言葉」と話し、ラミレス監督の采配を次のように解説、擁護した。
「ラミレス監督のいう初球から振っていけというのは、追い込まれる前に、甘い球を逃さずに打てということ。また四球を選べというのは、あっさり終わらずに粘れということ。表面的に受け取ってしまえば矛盾を感じるかもしれませんが、つまりこれは、相手にとって嫌な攻撃をしろということであり、発言自体に矛盾はありません。むしろ私は、いい言葉だと思いますよ。ただ現状、あっさり終わって、投げさせる球数も少ない。そのため、結果的にチグハグになってしまっているだけのことです」
さらに小田氏は「例えばチームの主力がケガをしたとき、『ゆっくり急いでね』ということを言ったりしました。どっちやねん！？ という感じですが、それと同じで、ラミレス監督の言葉の中には色々な意味が含まれているんです」と語ると、噛み合わなかったとされる状況について分析を続け、選手たちにも注文をつけた。
「選手も選手で、自分のスタイルや役割について考える必要があります。例えば、無死ランナー一塁の状況でバントのサインが出なかったら、自分はどういうバッティングをすべきか。そこで簡単にポップフライを打ち上げてはダメ。選手の役割は、必ずしも監督やコーチに与えられるものではなく、自分で考えてパフォーマンスに反映すべきものです」
そう語った小田氏は、横浜DeNAの後半戦について楽観的な意見で締めくくった。
「防御率や得失点数がリーグ下位の数字であることは気に掛かりますが、それでもこのゲーム差（4日終了時、3位のヤクルトとは2.5ゲーム差）。クライマックスシリーズ進出に向け、悲観する必要はありません。それに主力が本領を発揮できずにいたり、故障者がいたりの苦しい台所事情にあって、ラミレス監督はむしろ、一定の評価を受けて然るべきではないでしょうか」
チームは4日、「代打・ウィ―ランド」という奇策によってサヨナラ勝ちを収めた前夜の勢いを活かすことができず、またしても先制を許す形となり2対4で敗れた。試合後、ラミレス監督は「前にも話したが、打たないと勝てない。リリーフは頑張ったが、先発が抑えてくれないと追いつけない。投打が噛み合うということが重要」と話した。
今、チームに求められるのは、小田氏の指摘する「野手の奮起」かもしれない。
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