8月5日に開催されたKrush後楽園ホール大会では、2階級で王座交代劇が起きた。
一つは木村“フィリップ”ミノルがキャリア初戴冠を果たしたウェルター級。もう一つはスーパー・ライト級だ。チャンピオンの中澤純に挑んだのは、20歳の新鋭・篠原悠人。5歳で空手を始め、K-1甲子園で優勝している早熟のファイターだ。
篠原は昨年2月に王座決定トーナメントで中澤に敗れ、屈辱を味わってもいる。今回は挑戦者決定トーナメントを制してのタイトルマッチ。中澤に敗れてから5連勝・3KOという抜群の戦績を残してのリマッチだ。
リベンジ戦となる今回は長期戦を意識しての戦術に。圧力をかけてくる中澤に対し、距離を取りながらジャブを的確に当てていく。中盤以降はローキックでダメージを負ったが、これは前回の敗戦も踏まえ想定内だったと篠原。構えをスイッチすることでローに耐えると、最終3ラウンドには接近戦で何度も左フックをヒットさせた。
篠原のパンチと中澤のロー。ジャッジ次第とも言える難しい判定は2-1で篠原に。K-1甲子園王者がプロでも結果を出した。
「ここからがスタート」とは試合後の篠原の言葉。実は階級を下げることも視野に入れているという。K-1甲子園の階級である65kg(スーパー・ライト級)のままプロでも試合をしてきたが、試合に向けての減量は2、3kgほど。体格面で不利があるのは否めない。
12月には、地元の大阪でK-1が開催。そこにKrushのベルトを持って凱旋し、新たな階級、62.5kgのライト級で試し斬りをしたいというのが本人の希望だ。プロとして一つの試練を乗り越えた篠原。強豪がひしめいているK-1ライト級だが、体格差がない状態での本領発揮に期待がかかる。