横浜DeNAのG後藤武敏内野手と加賀繁投手が今シーズン限りでの現役引退を表明し、ファンからの労いと感謝の声が続々と挙がっている。9月14日に行われた引退会見では、両選手ともファンの声援が原動力になったと感謝の気持ちを表した。
「ゴメス」コールの大合唱で球場を沸かせていた後藤は、「横浜スタジアムでの鳥肌が立つような大声援はすごく背中を押してくれました。だから少しでもファンの方に接していただいて、僕という人間を知ってもらって応援してもらいたいとふだんから思っていたので、時間が許せればサインを書く機会を持つようにしていました」とファンサービスにも力を入れていた思いを明かした。
一方、肘の故障を抱えた時期もあった加賀は「苦しい時期が続いたんですけど、それでもファームの練習場にきて『加賀さんの1軍の姿が早くみたい』、『1軍のマウンド待ってるね』という声を聞くと、めげそうになったときでも自分の背中を押してくれて、もう1回あそこのマウンドに立ってファンのみなさんに見てもらいたい、応援してもらいたいと強い気持ちになれたので、本当にファンの声援は自分にとってすごい力になった」としみじみと語った。
ファンと真摯に向き合ってきた選手だからこそ、惜別の声は高まるばかりだ。チーム事情で先発から中継ぎに転向し、DeNA初年度となる2012年はチームが借金39の最下位の中、61試合に登板し防御率2.86と低迷するチームをフル回転で支えた。そんな加賀に労いの声が多く寄せられる。
「先発とリリーフを行ったり来たりしている時期もあって、ベイスターズのためによくがんばってくれたという感謝の気落ちです。バレンティンとの対戦はシビレた。もう一度見たい」。「まだやれると思ってしまうが、暗黒時代を支えてくれた功労者にありがとう、お疲れさまと言いたい。こういう選手がいたからこそ、チームが強くなれたことを忘れないようにしないといけない」と男性ファン。「三浦大輔さんの引退試合でマウンドを引き継ぎ、抱き合った姿が忘れられない。ファンにやさしく接してくれて人柄も良く、指導者などで残ってほしい」と女性ファンがメッセージを送る。
後藤に対して、「代打で出てきて相手に嫌だなと思わせる雰囲気は誰にでも出せるわけじゃない。後藤選手のような存在が必要。去年の3試合連続サヨナラ勝ちのときの二塁打が惜しかったなと今でも思う」というは、伝説の広島3連戦を観戦していたファン。3試合目の9回2アウトから後藤が放った二塁打はフェンス直撃でスタンドまであと50センチ程度の打球だった。倉本寿彦のセカンドへの当たりで後藤の代走で出た高城俊人がホームに飛び込み、サヨナラ勝ちをもぎ取った。
代打本塁打11本の最多記録を持つ後藤に「男らしさ、勝負強さが感じられる数少ない選手。野球界に残ってほしい」との声も。横浜高校のファンで、高校時代から応援しているというファンは「横浜高校のときから日本一の夢を見させてもらって、感謝の気持ちしかない。小池正晃さん（後藤、松坂の横浜高校チームメイト）が引退試合の最終打席でホームランを打ったとき、後藤さんが泣いているのを見て友情に感動しました。松坂選手と対戦できるかわかりませんが後藤選手にも最後に豪快な一発を打ってもらいたい！」。引退試合はハマスタ最終戦となる9月22日の中日戦を予定している。相思相愛のファンからの大声援を背に、最後のマウンド、最後の打席に向かう。【山口愛愛】
（C）AbemaTV
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