横浜DeNAが9対1で勝利した9月21日の対中日24回戦の試合後、この日が現役最後の登板となった加賀繁投手(33)が引退セレモニーに登場。目に涙を浮かべながら、ファンや関係者に心からの感謝の言葉を送った。

セレモニーに先立って、加賀のこれまでを振り返るVTRをセンタービジョンで放映。「求められたところで、どこでも投げた」というフレーズの通り、淡々、黙々、といった表現が似合う加賀の投球。そしてVTRの中には“最高の対戦相手”であるヤクルトのバレンティン外野手(34)もサプライズで登場した。
「加賀との対戦は燃える挑戦だったよ」という言葉を皮切りに、バレンティンは「加賀、バレンティンだ。加賀との戦いはすごく楽しかったよ。抑えられることが多かったけど、加賀の経歴には経緯を表するよ。(日本語で)ホントニアリガトウゴザイマシタ!」と語って丁寧に一礼。宿敵からの熱いメッセージに、満員のハマスタは大歓声で応えていた。

VTRが終わると、加賀がマイクの前に立ち、引退の挨拶が行われた。全文は以下の通り。
「まずはじめに、球団関係者、スタッフの皆様。監督、コーチ、選手の皆様。最後にこの舞台を自分にくれて、本当にありがとうございます。
そして中日ドラゴンズの監督、コーチ、選手の皆様。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
自分の9年間の野球人生は、本当にたくさんの人に支えられ、たくさんの人に恵まれて、ここまでやることができました。本当に感謝しています。ありがとうございました。
そして、ファンの皆様……。(言葉を詰まらせて)目立たない自分でしたが、このマウンドに上がるたびに、大きな声援をいただき、とても力になりました。本当に9年間、ありがとうございました!(大歓声)
最後になりますが、最後にこのマウンドで投げられたこと、本当に嬉しく思っています。9年間、本当にありがとうございました」
その後、上武大学の2年後輩である中日の松井雅人捕手(30)、横浜DeNAはキャプテンの筒香嘉智外野手(26)から花束の贈呈が行われた。さらにその後、家族からも花束を贈呈。なお、この日の登板を見た奥様の加賀祐季(ゆき)さんは、球団を通じて以下のようなコメントを発表した。
「やはりまだ現役で投げてもらいたいという気持ちも少しありましたが、このような引退試合の場を設けていただけて、3人の子どもたちにとっても、主人にとっても、私にとっても一つのいい節目にできました。
一番下の子がまだ試合を見たことがなかったので、こうやって子どもたちに最後にマウンドに立つ姿、パパの格好いい所を見せられてすごく感謝していますし、野球をやっている子どもたちの励みにもなったんじゃないかと思います。
一番上の子はパパの背番号を継ぐのが夢で、それまで守っておいてねと言っていたので、最初に引退の話を聞いた時はすごくショックを受けていましたが、今日改めてパパの背中を見て、こういう所に立てる選手になりたいと言っていました」

子どもたちにも大きな夢を与えた加賀の最後のマウンド。雨が上がった満員のスタンドからは、大きな拍手と「加賀ありがとう!」という大歓声が送られていた。
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