26日、東京オリンピック・パラリンピックで活動するボランティアの募集が始まった。しかし、応募を受け付けるホームページが「使いづらい」「わかりにくい」と話題になっている。
試しに応募フォーム入力画面にアクセスしてみると、まず「応募フォームの入力には約30分かかります」との注意書き。さらに入力を進めようとすると、英語でSNSアカウントを入力するよう要求される。ログイン後も表記はすべて英語で、誕生日の入力も外国の“DDMMYYYY(日月年)”形式だ。右上の日本の国旗マークをクリックすることで日本語表記に切り替わるが、何か説明などがあるわけではない。
このような複雑な仕様にネットでは、「根性が試されている」「誰がこのフォーム作ったの?」といった声があがっている。これに対し、東京五輪担当の鈴木俊一国務大臣は「何らかの対応が必要。最初に英語の文字が出てきたり、若干難しい厄介なところがある。多くの方にアクセスしていただけるのが大事」との認識を示し、「補足的に説明するなど、組織委員会の方で対応を考えてほしい」と述べたということだ。
このサイトを制作したのは、フランスに本社をおくIT企業「AtoS」。政策・メディアに精通する東京工業大学准教授の西田亮介氏は、「日本人の英語の読解力について配慮がなされていないのでは」と指摘する。
「ウェブサイトを作る時、一般的な日本企業の場合だとかなり作り込む。仕様書を作ってデザインをどうするか、実際に使ってみた時に使いづらくないかなどしつこく試すが、このサイトは使い勝手まで配慮されていない印象。オリンピック委員会の仕事もよく受けている企業だが、多くの日本人がいきなり英語で提示されると面食らうということに配慮がなされていないと思う」
さらに応募を躊躇してしまいそうな要因が、必須回答項目に未入力の欄があった場合。パソコンとスマートフォンともに「必須項目です」と入力を促す表示が出るが、スマートフォンだとその表示が回答欄に被るため、「×」をタップして消さないと入力することができない。西田氏は「五輪にはいろいろな人が来るので、入力にイライラしないか試されている、スクリーニングされているのかと思ってしまった」と述べた。
なお、ボランティアの募集期間は12月上旬までで、大会で必要な11万人のうち10万人を集めたいとしている。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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