客からの悪質クレームについて、産業別労働組合のUAゼンセンがサービス業に従事する約3万人を対象とした調査を行った。調査によると、「暴言」(24.8%)、「何度も同じ内容を繰り返すクレーム」(14.9%)、「土下座の強要」(2.1%)などの迷惑行為を受けたことがあると回答した従業員は約7割にのぼっていたことが判明。そのアンケート用紙には、従業員の悲痛な思いがつづられていた。
・客が注文した焼きガニを提供したところ、「焼きが悪い」とカニで顔を叩いてきた。
・注文した品をすべて食べた客が「まずかったからタダにしろ」と返金を要求。断ったところ、その後怒鳴られた。
・メニューにない品を注文され変更を促したところ、お盆を投げられた。
・客に静かにするよう注意したら、写真を撮影され「SNSへアップする」と言われた。
この調査が行われたのは初めてではなく、去年の調査では、レジを間違えたのかサービスカウンターで会計をしようとした客に断りを入れたところ、しつこく暴言を浴びせられ、「オレには時間がある。閉店までお前につきあえる」と長時間の対応を余儀なくされた事例もあったという。
また、このようなクレームが発生する原因を従業員に聞いたところ、「消費者のモラル低下」(27.1%)のほか、「ストレスのはけ口になりやすい」(22.7%)、「消費者のサービスへの過剰な期待」(22.0%)などの回答が多く得られた。
悪質クレームの対応を巡っては法的な整備を求める声もあり、UAゼンセンは去年11月、厚生労働省に対し約2万4000筆の署名を提出。さらに今年8月には、約176万筆の署名を提出した。しかし、どこまでが通常のクレームでどこからが悪質なのか。判断の難しさの課題が残されている。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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