
「これが持ち味なんです。ただ、このスイングをどう評価するか……」
10月3日、神宮球場で行われた東京六大学野球秋季リーグの天王山となる法政大学と慶応大学の一戦で、法政大学の4番・中山翔太(4年・履正社)が1回の第1打席に豪快なフルスイングを披露すると、AbemaTVで解説を務めていた元阪神スカウトで井川、赤星、鳥谷といった選手を担当した菊地敏幸氏が切り出した。
「自分は好きですよ。広島の新井選手とイメージがダブりますよね」と続けた菊地氏は、プロ20年の節目に現役引退の決断を下した広島の新井貴浩内野手(41)の大学当時を次のように振り返った。
「駒澤大学当時の新井選手も豪快なフルスイングだった。変化球はバットとボールが30センチくらい離れている時もあったが、“当たったら飛ばすよ”という雰囲気はあった。そこを評価した広島からドラフト6位で指名を受けて以降、練習に練習を重ね、皆に愛されて今日がある。その当時の新井選手と比べ、バッティングは上とは言いませんが、少なくとも守備力は遥かに上です」

プロ生活20年で2203本(10月3日時点)のヒットを放った名選手と中山を比較した菊地氏は最後に、中山はもちろん、今月25日に行われるドラフト会議を経てプロ入りを目指す選手たちに向けてエールを送った。
「ドラフトの順位によって、契約金や初年度の年俸に差はありますが、あとは頑張り次第なんですよ」
「頑張り次第」という言葉を結果で証明した“努力の虫”、さらにフルスイングの大先輩である“新井2世”に中山はなることができるのか? まずは25日のドラフト会議の行方に注目したい。
(C)AbemaTV

