8日、東京・新宿で「東京ラブパレード」が開催され、約500人が各々の想いを抱きながら街を練り歩いた。主催したのは毎年ゴールデンウィークに渋谷や原宿でパレードを行っているNPO法人「東京レインボープライド」で、今回は『新潮45』問題を受けて急遽開催されたという。
共同代表理事である山縣真矢氏と杉山文野氏は開催趣旨について「すべての命に平等を」「対立・批判ではなく対話を」と説明。杉山氏は「今までLGBTのことは議論の土俵にすら上がっていなかったと思うが、色んな人たちが議論するような時代になってきたというのは、1つの大きな変化かな」と話す。
LGBTの当事者でもある参加者たちに話を聞いてみると、
「自分の場合は性別が分からなくて、プライベートでもスカートを履いたりするので、そういったスカート男子っていうのもいるんだよというのを広めたいなと思って」(トランスジェンダー)
「アウティング(性的な秘密を暴露)されて自殺した子とかもいたので、もっと知ってもらいたい」(ゲイ)
「自分は普段カムアウトしてないが、こうやって顔を出すことで、割と普通に自分の周りにいるんだなってことに気づいてもらえれば、理解の一歩に繋がるんじゃないかなと思う」(ゲイ)
「政治家の不適切な発言に対して抗議の気持ちだ」(レズビアン)
と、様々な意見が。一方、騒動の末に新潮社が出した"事実上の廃刊"という結論に対しては、「わりとすぐ休刊になった。それが言い逃げみたいな印象がすごくあって、それはそれですっきりしない。もっとちゃんと対話じゃないが、話し合いをもうちょっとしてからでも良かったんじゃないかなという風に感じる」(レズビアン)と疑問視する意見も聞かれた。
スマートニュースメディア研究所所長の瀬尾傑氏は「あたかも文句を言われたことが良くないから辞める、みたいな感じになっている。休刊の判断は本当に残念。論文がおかしいと思うんだったら、何が問題だと思っているのか、なぜこういう事態を招いたのかということをちゃんと明らかにして、誌面で議論すべきだった。当事者に話を聞くと、自分たちから離れた議論をされていると感じている。これまで時間をかけて色々議論してきたことが全部すっ飛んでしまい、"LGBTの問題を触るのは危ない"となりかねない、そこを当事者は心配されている」と指摘した。
パレードにも参加した乙武洋匡氏は「抗議という意味合いよりは、もう一度理解を深めていただきたいというきっかけになればいいと思っている。抗議やデモは分断を生んでしまいやすい。それをやはり彼らは求めていないので、対話をして理解を深めてもらうきっかけとしてこういったパレードを楽しくやっているという呼びかけだと思う」と話し、「同性愛者にだけ婚姻制度が与えられていないなど、決して性の問題だけではなく、制度の問題でもあると思う、国家的に、社会的に語っていく必要があると思う」と訴えた。
議論を受けて、カンニング竹山は「僕も亡くなったマエケンと友達になったことで、色々なことを知ることができたし、乙武さんと一緒に障害について考えるNHKの番組を担当させてもらって学ぶことができた。難しいことかもしれないが、当事者と接することができる機会をもっともっと増やさないといけないと、イメージだけの議論になってしまう。差別はいけないということを下の世代につなげていかないといけない」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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