将棋の第31期竜王戦七番勝負の第1局が10月11、12日、東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で行われ、先手の羽生善治竜王(48)が挑戦者の広瀬章人八段(31)に141手で勝利した。羽生竜王は今シリーズでタイトルを防衛すれば、タイトル通算100期という大偉業を達成。大事な初戦を制して、大きな一歩を踏み出した。
 羽生竜王は、防衛すればタイトル100期となる一方、失冠すれば1991年に棋聖位に就いてから実に27年ぶりの“無冠”となるため、シリーズ開幕前から大きな注目を集めていた。振り駒の結果、羽生竜王の先手で始まった対局は、2日目の昼食休憩後あたりから一気に展開。激しい攻防の中、難解な局面を見事に読みきった。最終盤には、勝利が見えた時に出ると言われる“羽生震え”が激しく出る場面もあった。