10月26日、プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」でついに初の役満・国士無双が飛び出した。歴史に残るこの役満をアガったのは、KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人(連盟)。この日はパブリックビューイング開催日ということもあり、アガリを決めた瞬間には麻雀ファンの大歓声が会場に響き渡った。
この日の1回戦、開幕から通算で31回戦目の南1局1本場。トップ目で親番を迎えたセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)が好配牌を手に入れ、このまま一気に突き放そうかという場面だった。配牌に恵まれなかった佐々木と赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)の2人が国士無双を狙っていくものの、現実的にはなかなか厳しい流れ。魚谷は序盤で早くもイーシャンテンとなり、中継の解説を務めるEX風林火山の滝沢和典(連盟)も「魚谷が勝負を決めてしまいそうですね」と語っていた。
しかし、あと一歩でテンパイという場面で魚谷の手の進行がピタリと止まり、対して佐々木と村上がそれぞれ国士無双の有効牌を次々と引き入れて手を進めた。中盤から終盤にかけての12巡目には、佐々木・村上ともに国士無双のイーシャンテン。そしてもう1人、チームとして首位を快走する渋谷ABEMASの松本吉弘(協会)はイーペーコー狙いでゆったりと手を進行させていた。この時点で、全員がイーシャンテン。もはや誰がアガってもおかしくない状況となり、数十秒後、ついにその瞬間が訪れた。
14巡目、国士無双の成就のために南と白が必要な佐々木が南をツモり、白待ちでテンパイ。すると運命のイタズラか、この佐々木のアガリ牌の白を直後に松本が掴んでしまった。まったくの無用牌のため、ノータイムで白を切った松本。佐々木の「ロン」という発声が卓上に響く。こうして役満・国士無双が「Mリーグ初の役満」として麻雀の歴史に刻まれることになった。
佐々木の手牌が倒れた瞬間、パブリックビューイング会場は興奮のるつぼと化した。どのチームを応援しているファンも大きな歓声と拍手を送り、歴史的な瞬間に花を添えていた。そしてもちろん、待ちに待ったこの瞬間を見つめていた中継の視聴者も大フィーバー。「出た!」「うおおおおおお」「マジか!」「やっぱり初役満は国士無双か!」といった思い思いのコメントで、初役満の興奮と感動を表現していた。
このアガリで3万2000点(+300点、供託1000点)を加えた佐々木は8戦目にして嬉しい初勝利。一方、国士無双に振り込んでしまった松本は痛恨の表情。最下位チームの麻雀格闘倶楽部の選手が、首位に立つ渋谷ABEMASの選手からアガったことも含めて、非常にドラマティックな形で生まれたMリーグ初役満・国士無双。10月26日の1回戦、南1局の1本場が麻雀ファンの記憶に深く刻まれる1局になったのは間違いない。
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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