月末前の休日を迎え、ハロウィン一色になった週末の東京・渋谷。思い思いの衣装で楽しむ人がいる一方で、若者たちが“暴徒化”し様々なトラブルを引き起こしていた。
ここ数年、参加者のマナーが大きな問題になっていたため、渋谷区長は「31日だけ」「終電まで」「ビンは売らない」という異例の要請を出していた。しかし、センター街は身動きが取れなくなるほど人が集まり、道路には割れたビンが散乱するなど、区長の要望は聞き入れられなかった。
午前1時を過ぎても騒ぎは収まらず、井ノ頭通りは大音量で音楽を流す車両とその周りで人々が踊り出す“無法地帯”と化したほか、センター街の交差点では暴徒化した人々が横転させた軽トラックの上で踊るという出来事も起こった。ドラッグストアでは、酔った通行人が商品棚を倒しそのままいなくなったという。
普段は真面目なはずが、なぜ集団、特にハロウィンになると“暴徒化”してしまうのか。臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は次のように指摘する。
「非日常感というのは人のいろいろな心理を狂わせるし、1人だと大したことをしないのに集団になると大事になることをしてしまうのが群集心理。軽トラックをひっくり返して上に乗るなんていうのは中々見ない光景で、集団がそこまで暴走する背景はあったと思うが、心理学では『腐ったリンゴ理論』に例えられる」
「腐ったリンゴ理論」とは、悪いことを考える(腐った)人が1人でもいると周りに伝染するというもの。集団の中に逸脱した行為をする人が1人でもいると、それが伝染して周りも行動してしまうことのことで、ある実験によると逸脱行為をする人が1人でも10人でも関係ないのだという。
では、そのような人が出てきた場合はどうすればいいのか。藤井氏は「ハロウィンに関しては、いまお祭りが減っていて普段ストレスやモヤモヤを発散する場が少なくなっているので、そういう場が必要」とし、「人の目を意識すると逸脱した行動を取りにくいとされていて、人の目の部分だけを切り取ったポスターなんかを貼ると、社会的に望ましい行動が促進されるという実験結果もある。防犯カメラは見慣れているので変わった対策が必要だし、警察による見せしめ的な取り締まりも必要かもしれない」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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