11日から福岡国際センターで始まる大相撲九州場所を前に、関脇・御嶽海(出羽海)にインタビューを行った。しかし、インタビューを始めようとしたまさにその時、突如、一人の乱入者が現れた。身長180cmの御嶽海が見上げたその人物とは、身長188cmの前頭二枚目・玉鷲(片男波)だ。お互いに顔を見て笑い合うと、つかの間の“玉鷲劇場”が繰り広げられた。
「大丈夫ですよ。僕のインタビューなので」「え、そうなの? 用あるかもしれないでしょ」「ありますか? いや、ないそうです」「すみません」「すみません、失礼します」
そう言ってその場を後にする玉鷲。と思いきや、一度御嶽海に背中を向けた玉鷲は、“くるりんぱ”と一周して再び御嶽海に向き合った。意表を突かれた御嶽海は、思わず吹き出しながら「はい、おかえり」と短くリアクション。笑いが治まったところで、ようやく本来のインタビューを開始した。
7月の名古屋場所において13勝2敗で幕内優勝を果たし、大関取りを賭けて九月の秋場所に臨むも9勝6敗と精彩を欠いた。その九月場所を御嶽海は「いつもの御嶽海に戻った」と淡々と振り返った。
今場所で11勝以上を挙げれば大関取りも見えてくるが、そのことについては「なれる時になる。時期を待ってしっかりと稽古に臨みたい」と表情を引き締めた。今日から始まる九州場所に関しては「皆さんの期待に応えられるよう、つまらない結果にならないよう、しっかりと頑張ります」と決意を語った。
いつもは饒舌な御嶽海にしては、短いコメントが印象的。それだけに「結果で示す」という決意の大きさも感じられる。稀勢の里(田子ノ浦)の一人横綱となった今場所、御嶽海の存在感が大きくなれば、大関取りが現実味を帯びてくる。
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