麻雀プロリーグ「Mリーグ」において、その独特の感性による打牌選択で多くのファンを魅了するのが、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)だ。神でもなければ分からないような選択から、いつしか“ゼウスの選択”とすら呼ばれるようになったが、そんなプレーをまたもや披露した。AbemaTVの麻雀ニュース番組「熱闘!Mリーグ」で、まさに“神選択”と呼ぶにふさわしいシーンが紹介された。
紹介されたのは、同番組のレギュラーコーナー、芸人最強雀士・インスタントジョンソンのじゃいによる「じゃいの眼」のコーナー。毎週、トッププロが集ったMリーグの中から、これぞプロというシーンを抜き出し、解説するのだが、今回じゃいは「すごく、すごいんです!」と、かなりのハイテンションで紹介し始めた。
12月3日に行われた1回戦の南2局。鈴木はラス目で苦戦していた。そんな中、14巡目にセガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)から鳴きが入り、三色同順・赤のテンパイ。待ちは七万だった。ここで鈴木の手元に、その七万が。役牌かつドラの中を対子で持ち、ラス目からの浮上を狙う鈴木からすれば、まったく他の牌と絡まない七万は、ノータイムでツモ切りしたい場面。ところがここで時間を使うと、選択したのは暗刻で持っていた二万だった。結果的には、手牌が七対子へと進み、七万待ちのテンパイを入れると、先にテンパイしていた茅森も降りたことから、1人テンパイのまま流局。放銃の危機から一転、3000点を得た。
この七万止めについて、じゃいは「茅森が鳴いた時にある程度、役が絞られます。この時見えている牌から、可能性がある待ちの形は7・9筒、七・八万、八・九万の3つ」と解説。ホンイツや一気通貫などの可能性がない中で、7・8・9の三色同順、さらには待ち牌は七万であると一点読みしたことについて「Mリーガーの中でもトップクラス」と絶賛した。
緊張感漂う対局の中、短い時間で的確に当たり牌を見極め、しっかり止めた選択に、驚くのはファンたちだけではない。そのすさまじさは、解説を務めていた同じくMリーガーの渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)のリアクションからもうかがえた。七万を引き込んだ瞬間「うーわっ、放銃だ」ともらしたが、ぴたりと手を止めた鈴木の様子に「何で?何で?何で?」と3連打。自分なら切っただろう牌が当たりだと察し、安全牌を確実に選ぶ様子に「何で…怖い!もう怖いしすごい!もう何?天才か?」と、完全に困惑していた。
一時の不振から完全に復活した鈴木の選択は、これからもMリーグを見る全ての人の度肝を抜き続けそうだ。
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