同じ俳優だからこそ、その大変さがよく分かる。麻雀好きの俳優・波岡一喜が、先輩俳優でもあり、昨年からプロ雀士としても活躍する萩原聖人について「めちゃくちゃ大変だと思います。逆境で戦っている先輩は、やっぱりかっこいい」と語った。新春の麻雀対局番組の合間にインタビュー取材に応じると、役者として舞台・ドラマといった仕事を変わらずこなしながら、プロ雀士相手に戦う様子について、力を込めて語った。
波岡自身の麻雀歴は「小学生のころに覚えて、中学・高校はゲームで。大学に入ってからよくやって、今でもその仲間が一番打つのは多いですかね」と、長く楽しんできた。役者仲間では「新井浩文君とか滝口幸広とか。『最近、どんな仕事してんの?』とか、他愛もない話をしながらやってますよ」と、コミュニケーションツールとしても使っている。
昨年10月からスタートしたプロ麻雀リーグ「Mリーグ」のファンでもある。「おもしろいですよね。僕が感じたのは、メジャー感。明るいというか、親しみやすいというか。やっぱりどこか嫌なイメージがあったじゃないですか。たばこくさかったり、風呂に入ってなかったり、血眼になってやっていたりって。そういうイメージが先行していたところに、きれいな人やかっこいい人がいて、それが目立つように作られている感じがすごくおもしろいです」と、新たなスポーツ感覚の麻雀リーグを日々楽しみ、自ら番組出演をしたこともある。
Mリーグに注目している大きな理由のひとつが、先輩俳優・萩原が選手として参加していることだ。役者として活動することの苦労を、自分自身が感じているからこそ、プロ雀士としても活動することに、尊敬の念を抱いている。「めちゃくちゃ大変だと思いますよ。舞台の本番が終わった後に、そこからMリーグに行くとか。それにチーム戦というものは重たいからか、萩原さんもいつもの麻雀番組より、緊張しているんですよね」と、俳優として出演する麻雀番組とは違っているという。
萩原を除く20人の選手たちは、プロ雀士として長年活躍してきた者ばかり。「なんなら、萩原さんにとっては、ちょっとしたアウェイ状態だと思うんですよね。ちょっとうまくいかないと『俳優だから』って言われるだろうし。でも、その逆境と戦っている先輩は、やっぱりかっこいいですよね。プライドを持ってやっているのもわかりますから」と、他の選手とは異なる重圧も感じているのだろうと、思いをめぐらせた。
最近ではMリーグの効果もあってか、これまではイメージを重視し、麻雀関連の仕事を引き受けてこなかった人々が、OKを出すようになってきた。ただ、波岡からすれば「競馬ぐらいキャッチーになれば、また変わってくる、好きだと言う人がもっと増えてくると思いますね」と、その先を見ている。長年“秘めた趣味”であった麻雀のイメージが変わりつつあるその過程を見ながら、気の置けない仲間たちと、また牌を握る。【小松正明】
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