プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」1月10日の1回戦で、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)が10月29日以来2カ月半ぶり自身4勝目。“リーチ超人”が長いトンネルを抜け、節目となるチーム20勝目を挙げた。
対局者は起家から赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)。
Mリーグ開幕直後は好調だったものの、11月以降は8戦に渡って勝利から見放されていた村上。しかし赤坂ドリブンズは園田賢(最高位戦)と鈴木たろう(協会)の大活躍で着実にポイントを積み重ね、EX風林火山と白熱の首位争いを展開中だ。ひとりマイナスを抱える中、それでもチームの新年1戦目に指名された村上は、「選ばれて嬉しかったです」といつも以上に意気込んで対局に臨んでいた。
そんな村上の気合が表れたのが開始早々、東1局の親番だった。役牌の発を鳴いた朝倉に対して「たぶんドラは対子以上だなと思っていたんですけど、放銃はしょうがないので」と攻めの姿勢を貫き、終盤におなじみの元気な発声でリーチを宣言。すると最後のツモでアガリ牌の九万を引き入れ、裏ドラを3枚乗せるリーチ・ツモ・ドラ4・赤2・の倍満で2万4000点をゲット。「裏が3枚乗ったらすぐに8000オールと言おうと思ってました」とイメージ通りのド派手な先制打で一気に主導権を握った。
その後はトップ目らしく、リードを活かしながら無理攻めをしない安全運転で局を進めていった村上。一時は2着目の朝倉に9900点差まで詰め寄られるも、南1局の親番で再びリーチを成功させ、リーチ・ツモ・ドラの5800点で後続を突き放した。解説を務めたKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)が「2回目のアガリは大きいです。倍満でリードをしても削られていくだけというのはキツいですから」と語ったように、強烈な先制パンチと要所でのアガリという理想的な展開で、見事に強豪揃いの一局を制した。
空気が乾燥していたせいか対局中にしばしば咳込む様子を見せていた村上は、試合後のインタビューで開口一番「視聴者の方々と関係者の方々、同卓の方々に、鼻水と咳が止まらなくて本当にすみませんでした」と謝罪。この日はパブリックビューイング開催日ということもあり、卓上でのマナーとファンを大切にする村上らしい一面を見せていた。
Mリーガーとして、ファンの応援に接することは、日常生活にもあった。リーグ開幕後のある日、スーパーでの買い物をしていたところ、ファンだというダンディな男性に「大ファンなので、ここは支払わせてください」と会計をしてもらったことがあるという。「もちろん最初は断ったんですけど、カゴを持っていっちゃって。ビール(糖質ゼロ)とかお刺身とか。あんまり経験ないですね」と、誠実な人柄らしく、想定外の“プレゼント”に恐縮したエピソードを、照れながら明かした。
ここまでリーチ成功率がMリーグ最下位と苦しんでいた村上だったが、この日は“リーチ超人”の面目躍如。20勝一番乗りのチームに村上の復調が重なれば、クライマックスリーグに向けて上位を快走する赤坂ドリブンズの地位はますます盤石になっていくだろう。
【1回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)4万8500点/+68.5
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)3万1700点/+11.7
3着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)2万3800点/▲16.2
4着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)-4000点/▲64.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月で2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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