プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」1月10日の2回戦で、EX風林火山・滝沢和典(連盟)がMリーグ記録に迫る7万点超えの大爆発で自身6勝目、チーム15勝目を獲得。3選手トータルのラス回避率が90%を超えるEX風林火山は18試合連続でラスなしとなり、この日の1回戦で赤坂ドリブンズに奪われた首位の座を即座に奪還した。
対局者は起家からU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)。2時間を超える長期戦となった1回戦の疲労を考慮してか、全チームが選手を入れ替えて対局に臨んだ。
Mリーグ屈指のイケメン雀士として大きな人気を誇る“麻雀界のタッキー”こと滝沢。端正なのはルックスだけではなく、愚形リーチや荒い仕掛けをほとんどせず好形に構える麻雀スタイル、そして美しい摸打(モウター=ツモ・打牌時の所作)は多くのプロから「お手本」と評されている。10日の対局では滝沢がアガる度に、パブリックビューイング会場に「タッキー格好いい!」といったファンの黄色い声援がこだました。
点棒が平たい状況で迎えた東4局。親番の滝沢は4巡目でドラ2枚含みの七対子をテンパイし、基本に忠実な西待ちでリーチをかけた。この場面で山に3枚残っていた西をしっかりとツモり、リーチ・ツモ・七対子・ドラ2の1万8000点。いかにもスマートな跳満に、視聴者からは「ヒーロー属性」「イケメンツモ」「ハンサムは3翻だから倍満だろ」といったコメントが続々と寄せられた。
勢いに乗った滝沢は、「とにかくツイていた」とこの親番でダブ東・赤の7700点(+300点)、リーチ・ツモ・裏2の1万2000点(+600点)と高打点のアガリを連発。南1局1本場でもリーチ・タンヤオ・平和・赤の8000点(+300点)を白鳥から直撃し、またたく間に7万2500点という膨大な点棒を積み上げた。滝沢の猛烈な勢いに、1月7日の1回戦で8万1700点というMリーグ記録を作った解説のKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)も思わず「やべっ。いや、ちょっとこの勢いはまずいですね」とコメント。視聴者の笑いを誘っていた。
南3局にもリーチ・赤で2600点を加点し、オーラスの親番でもテンパイでの流局を挟んで発のみの2000点(+300、供託1000点)をアガるなど、さらなる連荘への意欲を見せていた滝沢。この時点で時刻が午後11時を回っていたこともあり、視聴者からは「寝かせないぞ、っていうイケメン」「永遠にタッキーのターン」「朝までコース」というコメントが寄せられ、解説の佐々木も「パブリックビューイングもありますからね。終電とか……」と心配するほどだったが、最後は鈴木がアガって長い1日にピリオドを打った。
佐々木の記録にはわずかに届かなかったものの、滝沢は大小7回のアガリで7万5200点という大トップを獲得。試合後のインタビューでは解説の佐々木を真似た勝利のポーズを披露し、「あとちょっとで届くとは思っていました」と記録を意識していたことを明かした。さらにファンへのメッセージとして、滝沢は「麻雀をまったくやらない嫁が、以前は『多井さんいつ出るの?』と言っていたんですけど、ついに推すチームが決まりました。赤坂ドリブンズです。だからドリブンズには負けないように頑張りたいと思います」と一風変わった宣戦布告。現在のMリーグで2強状態を形成しているライバルチームとの新たな因縁(?)を力に、EX風林火山は今後も不敗神話を継続していく。
【2回戦結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)7万5200点/+95.2
2着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)1万4800点/▲5.2
3着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)7000点/▲33.0
4着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)3000点/▲57.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【1月10日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +408.7(60/80)
2位 赤坂ドリブンズ +352.3(58/80)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲26.1(58/80)
4位 TEAM雷電 ▲44.1(60/80)
5位 U-NEXT Pirates ▲172.9(58/80)
6位 渋谷ABEMAS ▲204.5(58/80)
7位 セガサミーフェニックス▲313.4(56/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月で2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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