レギュラーシーズン残り5日となったプロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」2月5日の1回戦で、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)がトップを取り、個人8勝目、チーム21勝目を挙げた。
対局者は起家からEX風林火山・滝沢和典(連盟)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)。
チームリーダーである多井は、2019年に入ってからのレギュラーシーズン終盤、競馬で言えば最終コーナーから最後の直線にかけて驚異的な“末脚”を見せていた。1月10日にラスとなった以降、1着3回、2着3回と6戦連続で連対(1着または2着になること)。馬群を一気に抜き出るがごとく1月だけで+167.4ポイントを叩き出し、その勢いは2月に入っても衰えていなかった。
東4局6本場、親番・萩原から10巡目に先制リーチ受けながら、同巡にテンパイした多井は追っかけリーチを敢行。4万点台のトップ目だった朝倉もヤミテンで構える中、リーチ・ツモ・赤・ドラで8000点(+1800点、供託3000点)をアガって3万点台に浮上した。
南2局3本場では、ドラの白暗刻の配牌をもらい、親番・朝倉が第1打に切った一万をポン。第2打で切った北をポン。5巡目には自らツモり上げるスピード決着で8000点(+900点、供託2000点)を加点。異名通りの“最速最強”で朝倉に1200点差まで詰め寄った。
そして南4局、アガリにまっすぐ向かった多井は2巡目にドラの南を打牌。この南を親番・滝沢に鳴かれたものの、8巡目に2索単騎待ちのタンヤオでテンパイした。解説の赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)が「1300点アガれば4万1300点ですよ」とトップの順位点の価値を解説する中、滝沢にも12巡目に2、5索待ちの満貫テンパイが入った。滝沢の最終手出し牌が1索だったため「滝沢さんに2、5索がやばい」と読み切った多井は、待ち牌を変えずにテンパイをキープ。13巡目に自ら2索をツモって、土壇場で朝倉をまくり、全14局1時間49分にも及ぶ激闘を制した。
渋谷ABEMASは残り7試合。勝利者インタビューでは「接戦なので、やってるほうは苦しくて唸ったり少考したり重苦しい点が多いかもしれませんが一生懸命打ちます」と、一打一打慎重にならざるを得ない選手たちの気持ちを代弁した。
Mリーグチェアマンでもある株式会社サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋氏がチーム監督を務めている渋谷ABEMAS。チームリーダーはファイナルシリーズ進出に向け、計り知れないほどのプレッシャーを力に変えてみせた。【福山純生(雀聖アワー)】
【1回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)4万2300点/+62.3
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)4万1000点/+21.0
3着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)1万3700点/▲26.3
4着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)3000点/▲57.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがファイナルシリーズに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月、2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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