ここ数年、天才棋士・藤井聡太七段(16)の話題で何度も盛り上がっている将棋界だが、昨日からにわかに盛り上がっているのが「NHK杯将棋トーナメント」ベスト4の顔触れだ。昨日2月24日放送回で準決勝の組み合わせが全て決まり、羽生善治九段(48)と丸山忠久九段(48)、森内俊之九段(48)と郷田真隆九段(47)になった。実はこの4人、全員が1970年度生まれ。名棋士が多数いることで知られる“羽生世代”のど真ん中だ。この状況にネット上では「同窓会だ」と大興奮したファンの声が飛び交っている。
今期で68回目を迎えるNHK杯将棋トーナメント。持ち時間10分、切れたら1手30秒未満、他に各10分の考慮時間という早指し棋戦だが、今回ベスト4入りした4人は全員が優勝経験あり(羽生10回、森内3回、郷田1回、丸山1回)。早指し棋戦は瞬発力に勝る若手棋士が有利とされる中で、ベテラン4人が勝ち上がるというのも、この“羽生世代”が地力を持った棋士ばかりであることの象徴とも言える。なお、生年月日順に主な成績を並べると以下のようになる(数字は2019年2月25日時点)。
丸山忠久九段 1970年9月5日生まれ タイトル3期(名人2期、棋王1期) 889勝522敗 勝率.6300
羽生善治九段 1970年9月27日生まれ タイトル99期(竜王7期、名人9期、王位18期、王座24期、棋王13期、王将12期、棋聖16期) 1422勝587敗 勝率.7078
森内俊之九段 1970年10月10日生まれ タイトル12期(竜王2期、名人8期、棋王1期、王将1期) 910勝564敗 勝率0.6173
郷田真隆九段 1971年3月17日生まれ タイトル6期(王位1位、棋王1期、王将2期、棋聖2期) 874勝535敗 勝率0.6202
いずれもタイトルホルダーで、通算勝率6割超。羽生九段の成績が突出しているが、逆に言えば、羽生九段がいなければもっとタイトルを取り、勝率も高かっただろう棋士ばかりだ。
タイトル戦と肩を並べるほど、将棋界において抜群の知名度を誇るNHK杯。今年は誰が勝っても「羽生世代、健在!」ということになりそうだ。
(写真提供:日本将棋連盟)