「もう1分以上過ぎてますよ。ダメダメ、桜田大臣なにやってるんだよ。ちょっと1回戻って」
先週21日、桜田義孝五輪担当大臣が衆議院予算委員会に2分遅れたことに対して、野党・立憲民主党の逢坂誠二政調会長をはじめとする議員が猛反発。さらに逢坂氏が野党議員の一時退席を促したことで、審議は5時間の中断を余儀なくされた。
「答弁内容とかいろんなことを大臣室で協議していて遅くなりました。(今後は)今まで以上に気をつけて約束10分前とか5分前とか決めて、しっかりとした時間管理をしていきたい」と遅刻の理由と反省の弁を述べた桜田氏に対しては、「子どもの言い訳」など厳しい批判が集まっている。その一方、2分の遅刻で5時間の空転を生んだ野党の対応についても疑問の声があがっている。
この件について、24日に放送された「Abema的ニュースショー」に出演した元衆議院議員の金子恵美氏(40)は「遅刻自体はもちろんいけないこと」としながらも「私も政務官を経験していますが、大臣や副大臣が答弁をするときは、事前に官僚と答弁のやり取りについての準備がある。これだけ桜田氏が注目されている時であることを考えると、新たな火種を作ってしまった官僚というか秘書官、省のマネジメントに問題があった」と政務官としての経験を踏まえて持論を展開すると「そこでしか存在意義を示せない野党もいかがなものか」と話し、揚げ足取りで5時間の審議中断を招いた野党の姿勢についても疑問視した。
金子氏の意見に同調する形で野党の対応を批判したのは、東京大学大学院卒業で元日経新聞記者の鈴木涼美氏(35)。鈴木氏は「野党が審議内容について5時間引っ張るのであれば理解できるが、その実力が今の野党には無いこと、そこしか取る揚げ足がないことの方が問題」と続くと、「声を上げていた立憲民政党の逢坂さんは、民主党政権時には総務省の政務官だった方。記者時代、総務省の記者クラブにいたので個人的に知っているが、とても意識の高い素敵な政治家だと思っていた。逢坂さんの声を久しぶりに聞いたのが遅刻の件になってしまったのは残念だ」と話し、「もっと話すべきこと、話せることはある」と今回の逢坂氏の言動に対する失望と今後に向けた期待を明かした。
一方、本件の報道の在り方について意見を述べたのは元長野県知事の田中康夫氏(62)。田中氏は過去に自身が代表質問に立った際のメディアの報じ方について言及し「対案を出したことに対して、翌日は提案だったり、いさめるだったりではなく、批判と報じられる。メディアは常に二項対立を考えないといけない」と報道の在り方に対して注文をつけた。
終始、野党の問題点が指摘された議論だったが、MCを務める千原ジュニアの意見は少し異なった。「絶対に遅刻してはいけないとき、タイミングがある。桜田大臣はまさに今がそのとき。アホちゃうかと思います。今は絶対アカン。今の置かれている状況を分かってる?芸人でも絶対に噛んではいけないときがある。そういうことの連続でやりくりしているのだから。周りも10分前に入りましょうとか言わな……」と桜田大臣に加え、周囲の人々の緊張感の無さを嘆いた。
ちなみに番組では、統計学の専門家で江戸川大学客員教授の鳥越規央氏に、今回の“5時間の空転”で無駄に浪費された税金を、国会議員一人当たりに必要な費用をもとに算出してもらった。その費用は1日当たり平均でおよそ20万円(秘書などの諸経費も含む)と言われており、この日の審議に出席した人数が約50人であることから、少なく見積もっても1000万円ほどの税金が無駄に浪費されたとのこと。すると金子氏は「予算委員会だけではなく、その遅れによる本会議への影響までを加味すると、そこに関わる職員の残業代や諸経費(資料紙代など)もあり、議員だけの経費に止まらない」と補足していた。
(C)AbemaTV
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「2分遅刻、5時間の空転」で“無駄に浪費”された税金の金額とその是非
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