将棋の藤井聡太七段(16)が3月5日、順位戦C級1組の最終11回戦で、都成竜馬五段(29)に126手で勝利し、9勝1敗の成績で同組の全対局を終了した。師匠の杉本昌隆八段(50)、船江恒平六段(31)と勝敗数で並んだものの、前年成績をもとにした順位で下回ったことで、上位2人までの昇級枠を確保できず、2期連続昇級と32年ぶりの師弟同時昇級を逃した。
前回の10回戦で近藤誠也五段(22)に敗れた藤井七段は、この日の対局で勝利しても、順位で上回る3人のうち2人が敗れなければ昇級できないという厳しい条件だった。都成五段との一局は、激しい攻め合いを制して快勝。今年度の成績を41勝7敗とし、勝率も.8542まで伸ばした。次回の対局は8日に行われる竜王戦4組ランキング戦で、畠山成幸八段(49)に勝利すると、中原誠十六世名人が保持する最高記録0.8545を抜く.8571となる。対局後は、昇級を逃したことに「前回敗れてしまったのでしかたがないかなと思います。一局一局積み重ねていければと思います。1つ敗れてしまったのは残念ですが、ここまで順位戦の将棋はじっくり時間を使うことができていると思うので、長い持ち時間をいかして戦っていければと思います」と語った。