「ふがいない相撲は取っていられない」。大関・高安(田子ノ浦)の胸には、そんな強い思いがある。兄弟子である元横綱・稀勢の里(現・荒磯親方)の引退を目の当たりにしたからだ。初場所4日目、引退の知らせは、部屋の関係者から聞いた。「すごく背中を押されましたね。そこから気合を入れて、終盤まで相撲が取れました」。初場所直前にインフルエンザを患い、5日目までに3敗を喫する中で立て直し、最終的には9勝6敗で勝ち越した。