春場所4日目、序二段の取組が淡々と進む中で一際、大きな歓声と拍手が沸き起こった一番があった。その土俵には5場所ぶりに復帰した元大関照ノ富士と、右膝の大ケガからの再起を目指す幕内経験者の天風が立っていた。
 元大関が序二段の土俵に上がるのは前例がないが、天風も右膝の膝蓋骨脱臼で昨年7月に手術。3場所連続全休を経て、今場所は序二段・五十枚目で土俵復帰を果たした。ともに白星発進で迎えたこの日は天風が左四つで寄り立てるが、土俵際で照ノ富士が右からの小手投げで勝ちを収めた。