「これは人類が初めて目にしたブラックホールの姿だ」(国立天文台の本間希樹教授)。
10日、東京を含む世界6都市で同時に開かれた記者会見で、国際研究チームがブラックホールの撮影に成功したことを明らかにした。
東京の会場で説明に立った本間教授は「アインシュタインの相対性理論から100年。活動銀河中心核が発見されてから100年。その銀河の真ん中にブラックホールが存在するということを決定づけるものだ。たった1枚だが、非常に大きな意味を持った1枚ということで成果発表させて頂いた。なぜこのような輪、ブラックホールシャドウができるかといえば、ブラックホールは周りの時空を歪ませるため、光が回り込む。また、近傍からは光が出てこない。その効果によって周りに輪っかができ、ほぼ真円の黒い穴として見える。この非常に暗い部分とリングとのコントラストは10対1以上で、間違いなく凹んでいる。このリングの幅は約1000億キロ。さらにガスは電波の観測で60億度という非常に高い温度のプラズマであることがわかった。ここまで加熱し、維持できるのはブラックホールの周辺だけだということで、これも重要な証拠になる。私たちは慎重に解析を進めてきており、従来の方法、米国の方法、日本の方法を独立に用いて、誰がやっても同じ答えが出ることを確認した。一過性のものではなく、安定して存在する」と説明した。