2018年度中に活躍した棋士を表彰する第46回将棋大賞の表彰式が4月18日、東京都・渋谷区の将棋会館で行われた。新しい戦法や妙手に対して送られる「升田幸三賞」には、昨年6月に行われた竜王戦5組ランキング戦決勝で、藤井聡太七段(16)が見せた「7七同飛成」が選ばれた。本人は欠席だったが、選考委員からは「ファンだけでなく、棋士の方にも大きなインパクトを与えた」と、その妙手が将棋界に広く衝撃を与えたことを、選考理由として説明した。
まだプロ歴としては2年半ほどの藤井七段だが、周囲の度肝を抜く名手・妙手を次々と生み出している。将棋ソフトの優位性が一般的になりつつある中で、ソフトの分析や評価を超える手は、「AI超え」として大きな反響を呼んだ。選考委員からは「(升田幸三賞は)これまで新しい戦法などをメインテーマとしてきましたが、選考理由の中に類まれなる妙手というのがあります。話し合って、誰もが知っている藤井七段の7七同飛成に決まりました」と、もはや将棋界では知らない人がいない、といった最大級の評価だったことも付け加えられた。
藤井七段の次回の対局は4月24日で、相手は高見泰地叡王(25)。史上最多の29連勝や最年少七段昇段、さらに升田幸三賞も受賞した竜王戦(今回は4組ランキング戦の準決勝)だけに、またもや将棋史に残る一局、一手が出るかもしれない。
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