前回準優勝者が、今回は戦い方にもこだわって頂点を目指す。佐々木勇気七段(24)は、前回大会で羽生善治九段(48)を破るなどして決勝に進出。藤井聡太七段(16)との三番勝負では大熱戦を演じたものの、惜しくも1勝2敗で敗れた。今回も予選ブロックからの出場となったが「今回は戦い方を少し変えてみようかな」と、新・佐々木勇気にも挑戦する。
佐々木七段が一気に注目を浴びた瞬間と言えば、なんといっても藤井七段(当時四段)がデビュー以来の29連勝を達成し、その連勝記録を止めた対局。将棋ファンのみならず、日本中が藤井フィーバーに沸く中、その快進撃に立ちふさがったイケメン棋士として、各種メディアでも取り上げられた。前回のAbemaTVトーナメント決勝は、公式戦・非公式戦の違いはあれど、それ以来の顔合わせ。公式戦と同等かそれ以上といった思いをぶつけての対局となった。
前回大会から約半年が経過し、再びやってきた超早指し棋戦の舞台。前回は「研究勝負から避けて、力将棋に持っていったところがある」と、勝ちにこだわったが、今回はより上を目指して事前の研究比べにも、真正面から挑む。戦前のテーマにも「研究将棋に立ち向かう」と記した。2018年度の成績は40局で22勝18敗。竜王戦では2組にも昇級した。今年で25歳。棋士として25歳がピークと語る人もいる中で、2019年を飛躍の年にしたいと佐々木七段本人が一番強く願うところだろう。ただ勝つだけでなく、さらにその先へ。この超早指し棋戦が、1つの殻を破る瞬間になる。
◆AbemaTVトーナメント 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治九段の着想から生まれた、独自のルールで行われる超早指しによるトーナメント戦。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生九段が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選A~Cブロック(各4人)は、三番勝負を2回制した棋士2人が、本戦への出場権を手にする。本戦トーナメントは8人で行われ、前回優勝者の藤井聡太七段、タイトルホルダーとして渡辺明二冠がシードとなっている。
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▶4/28(日)20:00~ 第2回AbemaTVトーナメント 予選Aブロック<前編>佐々木勇気七段、菅井竜也七段、近藤誠也六段、大橋貴洸四段